天文学史研究会(2日目)

2006年01月21日 20:04

 昨日に引き続き、天文学史研究会に出席。今日は東京は朝から雪模様でした。以下、この日の講演内容のレポートです。

「台湾民暦の時代区分」(城地茂・高雄第一科学技術)
 台湾で使用されていた、台湾民暦について紹介。台湾歴には太陰暦が必要。風水が取り入れたり、禁忌を記載しないなどの特徴。時代によって、白表紙暦、水表紙暦、黄表紙暦がある。台湾人の約10%が購入して活用。
 
「文化年間における間重富の天文学」(嘉数次人・大阪市立科学館)
 嘉数さんお得意のなにわの天文学のお話。ここ10年調べていた。間重富については、これまであまり調べられていなかったので、今回の調査で、間重富の再評価を行った。間重富の任務は以下の通り、
1.天文方の仕事
2.高橋至時の仕事の完成 ラランデ翻訳
3.内々の意見具申
 特に、ラランデ翻訳は間重富一人で行った。そのほか、伊能忠敬の測量の支援。経度測定にガリレオ衛星の食現象を採用。世界地理の研究、世界地図の翻訳・改訳も。

「キトラ天文図の星座同定と中・朝の古製星図」(宮島一彦・同志社大学)
 キトラ古墳の原図がどこから伝わったかを、中国の蘇州天文図や朝鮮の古星図と比較。キトラ天文図の特徴や、中国の星図との違い・誤りを紹介。キトラは位置や星座の大きさが不正確。星座の結び方もも違う。結論として、中国・朝鮮の様式を折衷したものらしい。宮島先生には、このたび初めてお会いしました。富田さんがよろしくとお伝えしておきました。

「現代雲南地方『鉄雨』の記録」(野上長俊・原子力研究開発機構)
 中国の古代文献から、隕石(鉄雨?)の落下記録を調査。落下時期、落下地域などを調べた。京大人文研漢字情報センターに様々な文献がある。「鉄雨」に似た記述として、「雨黄金黒錫」「雨水銀花」「雨鉄」などがある。

「惑星集合からみた中国古代史」(作花一志・京都情報大学院大学)
 作花さんお得意の過去の惑星集合を計算。BC205年に五惑星が接近。惑星集合は古代王朝開始の兆しか?

「江戸中期の等級データを含む星図の研究」(藤原智子・九州大学)
 日本に存在する江戸中期の4つの星図を比較、記載されている等級を調べた。星図には全て、6等級まで記載されている。「星雲星団」は「気」と表示されているのがおもしろい。たいてい、北図、南図に別れている。その星図にも不備がある。また、日本から観測されたデータを使われたわけではない。どうやら、中国の儀象考成という星図が基になっているらしい。この話も非常に面白かったです。

参加者の年齢層が高いこの会合。今後、どう運営していくか話題にあがりまして、一瞬、わたしにも振られかけました。でも、わたし、天文学史は趣味の範疇なので、優先順位としては落ちるので、ちょっと固持。でも、ML管理ぐらいはするかも。

今後としては、国立天文台の太陽観測の歴史とか手をつけてみたいです(いつになることやら)。


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